上級クラス1 作文

国の慣習、生活習慣、行事、マナー等を守ったほうがいいか?

袁小惠  王曦雨  王春艶  姜晴樺  金海燕  蔡艾婧

陳戎琳  陳麗玲  潘膺中  苗紅斌  扶逸芬  李国善

(あいうえお順)

袁小惠


  中国の「○」と「×」を紹介したいと思います。
  留学生として日本語学校に来て、もう一年経ちましたが、まだ慣れないのは、答えが正しいときは「○」をつけることです。逆に正しくないときは「/」をつけます。
 中国では答えが正解だと「✔」をつけます。不正解だったら「×」をつけるのです。この「○」と「×」の由来はわかりませんが、でも中国のつけ方は欧米と似ているらしいです。

 ちょっとインターネットで調べてみたら「×」には「ここだよ、ここ!」という目印の意味もあります。国と地方によって、マークの意味も違います。国際基準というものはありません。そう言えば、「○」と「×」の表示の方法も各国独特の文化の一つになりそうです。
 正しく使えるように、まずその国に行って、文化を勉強しなければいけないです。

王曦雨


 最近中国国内では「お正月に、爆竹という伝統的な風習を伝承し続けるべきかどうか」をめぐって、いろいろな論争が展開されている。私の個人的な意見は、守ったほうがいいと考えている。
 なぜなら、一年中で一番重要な祝日としてのお正月は、中国人の心の中ではどんな祝日にも代えられないし、また爆竹はお正月の祝い方の一つとしてもっとも重要なのは当たり前だからだ。まず、ある人は爆竹の音がうるさすぎると考えるが、よく考えてみると、このうるさい音でお正月の雰囲気が高まるのではないだろうか。これは「爆竹が欠かせない」という意見の中で最も説得力がある理由だと思う。次に爆竹の言い伝えによると、一年中の悪いことと災いが駆除できるそうだ。それで今まで民間に伝承されてきた。これで私たちは一年間順調に勉強も仕事もできるように期待しているのではないだろうか。

 お正月は中華民族の伝統文化であり、中華文明の象徴でもある。爆竹はお正月の一番欠かせない祝い方として、私たちは守るだけではなく、伝承するのも当たり前のことだ。

王春艶

 
 中国の北方は旧暦の大みそかの夜にギョーザを食べてはいけません。ギョーザを食べる習慣は慣用句「更岁交子」と字の音が似ているから、古いものと新しいものが交替すると言う意味です。そして、ギョーザの形は昔のお金(金元宝)と同じ形ですから、食卓にたくさんギョーザが並ぶと、新しい年にお金をいっぱい手に入れられます。この習慣は家族が全員つながるし縁起がいいから、守ったほうがいいと思います。

 中国にはいろいろな習慣があります。その中でおかしい習慣もあります。例えば、多くの人は4が嫌いです。4と死の音が似ているからです。もう一つはカラスの鳴き声が聞こえたら一日中悪いことにあいます。また、結婚式の車に遭ったら縁起が悪いとか。これらは全部根拠がなく迷信ですから、守らなくてもいいと思います。

姜晴樺


 現在の台湾は現代化していて、伝統的な行事をしている家族は減ってきた。政府は伝統を守るのと観光のために、年中行事のお祭りを続けている。なかでも、お正月と元宵節(小正月)の祭りは一番にぎやかだ。
 毎年の元宵節(小正月)には、人々に知られている「灯会」以外にも「鹽水蜂炮」という祭りがある。鹽水鎮の蜂炮の起源はいろいろあるが、一説にはある年の7~8月にかけて、鹽水一帯に伝染病が蔓延し、多くの死者が出た。疫病払いを祈りながら爆竹を放ち、街を回ったというのだ。
 この祭りはとても台湾の風情があるけれど、爆竹の花火がいきなり飛んでくるから非常に危険な行事だ。さらに、花火の中心部に近づいて行ったら縁起が良いそうだから、毎年負傷する人が多い。伝統文化の一つなので守ったほうがいいと思うが、政府も個人も安全にちゃんと気をつけなければ事件になるかもしれない。安全に注意しながら伝統的な祭りを守るのは大切なことだ。

金海燕


 私が住んでいる地域では重要な試験の時にやる習慣があります。その習慣についての説明と思いを書きます。
 私の地域では学校のテストの日にソーセージとゆで卵を二つ食べる習慣があります。その意味はテストで百点が取れるためです。私もテストの日によく食べました。あと、テストの前の日とテストの当日は髪を洗ってはいけないと言う習慣もあります。髪を洗うと今まで勉強したことを忘れてしまうからと言う意味です。

 もう一つおもしろい習慣があります。それは高校と大学へ入るテストの時にやる習慣です。親は皆自分の子供がいい高校、大学へ行けるように祈っています。そのために親はその地域で一番いい高校、子供が行きたい高校と大学、あるいは有名な大学の看板に餅を貼り付けます。わざわざ遠いところまで行く親もいます。その高校、大学に合格してほしいと言う親の望みです。ほんとうにこのテストの日は学校の看板には餅がいっぱい貼ってあります。掃除するのも大変だと思います。

 こんな習慣はいつどこから来たのかは知らないけれど、それをして心がちょっとぐらいは安心できるから、守るか守らないかは人によって違うと思います。

蔡艾婧


  中国の元宵節(小正月)は、春節(旧正月)から数えて15日めで、最初の満月の日です。その日は私の故郷は赤い灯籠を飾る習慣があります。私はその習慣を守ったほうがいいと思います。どうしてかと言うと赤い灯籠に関して次のような由来があるからです。

 「昔、天上から一羽の鳥が地上に迷い込んできた。でもその鳥は事情を知らない猟師に狩られた。天帝はその事を知り、非常にお怒りになられた。天兵に、正月の15日に地上に火を放ち、人間も財も家畜も全部焼き払うように命じた。天帝の娘はそれを知ったが、心優しい娘は、人々のそんな悲しい結末を見たくないがため、こっそり地上へ降り、この事を人々に知らせた。
 そこである賢い人が一つの妙策を思いついた。それは皆で正月14、15、16日の3日間、自分たちの家に赤い灯籠を飾り、爆竹と煙火をずっと打ち上げ続ける。こうしたら、天帝はもう火を放ったように思う、と言うのだ。
 そして正月15日のこの夜に天帝が王座から地上を見下ろしたら、地上が真っ赤に染まっていて、本当に大火が燃えているようだった。それで天帝の怒りも静
まった。それから毎年正月15日になると、人々は家に赤い灯籠を飾るようになり、この日を記念するようになった。」
 この由来と赤い灯籠が私は大好きだから、この習慣を守ったほうがいいと思います。

陳戎琳


 台湾で言う十二支は、鼠、牛、虎、兎、龍、巳、馬、羊、猿、鶏、犬、豚の十二の動物を当てたものです。この中で龍は唯一の想像上の動物で、古代の神話では神獣とされていたため、皇帝シンボルとなっています。帝王の服装を始め、家の家具や家の外観などに龍の模様が用いられます。この事からすると龍は最上級のイメージが持たれています。逆に虎は肉食野生動物なので、気性は残酷だし、虎年は不吉な年と思われています。

 虎に当たる年に生まれた私は、幼い頃からいろいろ守らなければならない慣習がありました。たとえば結婚式に参加するべからず、新生児も見るべからず、さらに女性は実の年齢より一歳上、もしくは一歳下のふりをしたほうがいいと言う迷信があります。
 
 私にとってはこのような風習は守らないほうがいいと思っています。結婚とか赤ちゃんの出産とか吉のことなので、私も皆と一緒に参加して盛り上がりたいけど、参加してはいけません。私のことを縁起が悪いと思われるのは不公平だとずっと思って来ましたから、その慣習はなくなってほしいです。

陳麗玲


 私の国ならではの慣習は、お正月に爆竹を打ち上げることだ。私はこのマナーを守った方がいいと思う。
 「初一(元日)」前日の除夕(大晦日)から街には爆竹と花火の音に包まれる。路上には花火や爆竹のカスとも言うべき残骸が転がっている。これはお正月特有の雰囲気だ。すごくにぎやかだ。除夕(大晦日)に家族と一緒にご飯を食べた後、一緒に徹夜で爆竹を打ち上げる。つまり来年の運は爆竹と似て、すごくいい。

 私は日本に留学して、二回お正月を迎えた。なんとなく日本のお正月の雰囲は感じられない。初めての大晦日は本当に気が付かなかった。その日私はでかけず、家で寝ていた。翌日、お祝いのメールをもらった。だから思い出した。これが私の第一回の大晦日だ。私は両親に電話をかけず、寂しかった。
 私にはお正月の雰囲気が一番大切だと思う。もし雰囲気がなかったら、新しい年を迎えるのは意味がない。
 だから、お正月に爆竹を打ち上げるのは守ったほうがいいと思う。

潘膺中


 国によっていろいろな文化習慣が生まれます。昔台湾は日本の植民地でしたが、日本との習慣が違うところがたくさんあると思います。
 またテレビ番組によると、だいたい日本人はシャワーを浴びるのではなく、お風呂に入るのだそうです。そしてバスタブにお湯を入れて、そのお湯は家族のメンバーで一緒に使用するそうです。台湾と大きな違いがあります。台湾人は普通シャワーを浴びます。お風呂に入る人は少ないです。それにバスタブのお湯は一人だけ使用します。家族のメンバーが一緒に利用するのは、なんか汚い感じがします。
 習慣はずいぶん違いますので、とても面白いと思います。

苗紅斌


 中国には清明節という日に家族の祖先の墓に参る慣習があります。どのような慣習かと言うと、全国の人が決まった日に自分の故郷へ帰って、亡くなったおじいさんとか、祖先などの墓に行き、墓の周辺の掃除をして、祖先たちが生きていた時に大好きだったおやつとお酒を供え、いろいろ話したいことを祖先に話す、と言う慣習です。おもしろいのは毎年この日は大体小雨です。

 私はこの慣習を守ったほうがいいと思います。なぜかと言うと、この時が人生の反省に一番良い時だからです。この時皆二つのことを必ず深く考えます。一つは祖先たちのすばらしい人生とか人間としてのいい質とかを思い出して、自分もそのような人間になろうと思う人が多いです。もう一つは家族の生きていた時期を思い返すことができます。そうすれば人生の速さと生き甲斐は何かが感じられて、家族と一緒の幸せを大切にすることもわかります。
 ですから、私はこの慣習を守ったほうがいいと思います。

扶逸芬


 台湾の端午の節句には必ず「粽子(ちまき)」というものを食べる習慣がある。その習慣の由来は、次のようなものである。
 昔「屈原」と呼ばれたとても愛国心のある人が王様に誤解されて、さんざん弁解したが王様にわかってもらえなくて、とうとううつ病になり、最後に川に身を投げて自殺してしまった。人々はこんな素晴らしい人が川にいる動物に食べられてはいけないと思い、皆で協力して、炊いてきたもち米の中に炒ったお肉、卵の黄身やきのこなどの具を入れて、葉で全体を包んで川に投げ入れて動物の餌にしたのである。

 端午の節句になると、よく家族全員が揃って、皆一緒に「粽子(ちまき)」を作るために買い物に行ったり、家を香りがある草で飾ったりする光景が見られる。家族ではなくても、お隣さんたちが集まって料理を作るし、学校でも先生が学生を集めて飾り物を作るし、かなり雰囲気がにぎやかになる時期だ。
 この特別な日があるからこそ、色々なおもしろいイベントが生まれ、皆で集まる理由になり、人々を喜ばせるから、私にとってはその慣習を守ったほうがいいと思う。

李国善


 慣習、生活習慣を守ってほしい事について書きます。
 私が生まれて今まで住んでいる所は延辺朝鮮族自治州です。中国では主な朝鮮族が住んでいる地域です。延辺は中国東北吉林省の東部に位置し、ロシア、北朝鮮と国境を接しています。ほかにも中国の遼寧省、黒龍江省にも朝鮮族が居住しています。
 
 現在朝鮮族は、多くの地域において漢族と混住しており、日常生活において漢族化の影響をかなりうけています。例えば延辺地域のほかの朝鮮族は、生活慣習はもちろん、自分たちの民族言語や朝鮮語の文字も、話せない、読めない、書けない若者たちが多いです。本当に残念だと思います。祖先伝来の生活様式を保ち続けなければならないことも、大体忘れています。

 朝鮮族は民族意識が強い民族なので、そんな状態が続いてはいけないと思います。ちゃんと民族の言語、習慣を守って、朝鮮族の発展に力を貸すのが我々若者たちの義務だと思います。